今年ももう1カ月ないそうで。
もうない、と言われるとなんだか急に
もったいなく感じてしまう、
失われるものへの執着。
*
見ず知らずの誰かのおもらしおねしょのお話も、
もちろんどきどきします。
けれどやはり、「あなたの」おもらしおねしょのお話に
どきどきするんです。
あの日、となりで微笑んでくれたあなた。
あの日、励ましの声をかけてくれたあなた。
あの日、心配そうな顔でわたしを見つめたあなた。
あの日、大好きな服について目を輝かせて話したあなた。
あの日、恥ずかしそうに欲望を打ち明けてくれたあなた。
そんな、あなたの。
*
いつの間にかすっかり冬で。
そりゃあ12月だもの、寒くても何の不思議もなくて。
なのに、急に寒くなったのがいけないの、
なんて、冷たくなったシーツの言いわけを考えて。
*
下着におしっこが滲むように、
おもらしにはあなたが滲む。
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