蒸します。
きっと部活動に向かう、体操着姿の生徒さんの、
小麦色の腕にある懐かしさと諦めを感じつつ、
夏休み、なんて言葉だけに憧れたりして。
「あじゅいです」
せっかくの夏休みだというのに、
ぐだぐだですね、看板娘さん。
「夏休みにぐだぐだしないで、いつするんですかぁ」
そういうものですか。
若者らしく、はつらつと出掛けたらどうですか。
「偏見です。若者だから眠いんです」
確かに、昼下がりにうとうとするのは気持ちいいですけどね。
「ほんと、ついお昼寝しちゃうんですよ。
これが危ないんです」
危ない?
「家だと安心して水分いっぱいとっちゃうでしょ。
それで、ちょっとうとうとすると、あー、って」
あー、って?
「リビングのソファとか最悪ですよ。カバーぜんぶ洗濯です。
ほんと、お昼寝おねしょは危ない!」
なるほど。安心してお昼寝もできないですね。
「昼間ならまだしも、うっかり夕方とかだったらもぅ、
干しても乾かないし」
大変だ。
「家の中たっだらまだおもらしのほうが、場所が選べるぶん
あとが楽ですね」
その発想はぜんぜん理解できない。
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