幣サイトに足を運んでくださる皆さまなら
きっと気になる「ファンタジー世界のお手洗い」。
というわけで(笑)、『水源のアリエ』の舞台、
モレタ島のお手洗い事情。
*
モレタ島の一般的なお手洗いは、
いわゆる洋式、座って使用する形状である。
ただし、便器の底部分には
「転送板」と呼ばれる、
触れたものを瞬時に別の場所へと
「転送」する魔品が用いられている。
都市部の、中流以上の階級の家庭では、
この転送板を用いたお手洗いが広く普及している。
転送先は、いわゆる「肥溜め」であり、
肥料として利用される。
転送板の効力は永久ではなく、
定期的な交換が必要である。
都市部であっても、下層階級、
貧民街のような場所では、
汲み取り式のお手洗いも使用されている。
なお、水の豊富な農村部などでは、
自然の流れを利用した、原始的な
水洗のお手洗いも存在する。
ちなみに、イリーバ魔法学校は、
アダマン石により浄化された雨水を用いた
水洗のお手洗いが、寮の各部屋や講堂に
設けられている。
そして、アダマン石による
「浄化槽」へと送られ、無毒な水となり、
近隣の川へと流される。
用を足した後の「始末」についてであるが、
一般的に普及しているのは、
アダマン布と同等のちからを持った、
「清拭布」による拭き取りである。
モレタ島の人々は、この「清拭布」を
常に携帯し、用を足した後に用いる。
わたしたちの感覚だと、
「同じ布を繰り返し使う」
「排泄物を拭いたものを携帯する」
ことに、違和感を覚えるだろう。
しかし、致死の猛毒でさえ一瞬で無毒な
水に変えるアダマン布である。
付着した排泄物は一瞬で「水」に変わり、
もちろんにおいもない。
アダマン布は「最も清潔なもの」なのである。
どうしても気になる場合は、
水に変えられた後、さらに水洗することも
あるようだが。
ただし、アダマン布は非常に高価で貴重であるため、
一般的に普及している清拭布は、
アダマン布と同等の効果を薬剤で再現したものであり、
その使用には限度がある。
定期的に買い換えなければならないのである。
ちなみに、、、
イリーバ魔法学校の制服は、
アダマン布で出来ている。
と、いうことは、、、
閑話休題。
モレタ島、キシン共和国の文化においても、
排泄行為はわたしたちと同様、
「人目に触れてはならない」行為である。
お手洗いは当然個室であり、
外からは覗くことの出来ない場所に
つくられている。
人目のない場所ならいざ知らず、
都市をはじめとした生活の場において、
公衆の面前で排泄することは
「恥ずべきこと」であり、
「屋外で用を足す」ことや、
まして「おもらし」は、
当人にとっても、周囲のものにとっても、
「恥ずかしい」「あってはならない」
ことである。
PR