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ブログ・おもらし抒情

おしっこは我慢するけど 言いたいことは我慢しません。

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やましさ。

暖かいですね。
4月並みの陽気だそうで。
風が強い。
かふんかふん。
くしゃみした拍子に、あっ、
とっさに抑えるスカートの上。
でも、あわてて、ぱっ、手を離して、
ほんと、風強いのやだー、
なんて。
毎年してるな、この話。



 閑静な住宅街。
中央通りからひとつ奥に入った、
静かな路地の3件目。
煉瓦を模した温かい色の外壁が
風格を物語る、お屋敷。
 門には表札が二つ。
一階に住んでいるのは年老いた母親。
道路に面した広い庭で植栽を手入れする姿を、
良く見かける。
二階に暮らすのは壮年のご夫婦。
ベランダから覗く白いレースのカーテンが、
品の良さを思わせる。
ときどき、きちんとした身なりで腕を組み
歩く姿を、見かける。
 晴れた日、わたしはあるやましさとともに、
庭先に揺れる洗濯ものを見やる。
母親のものだろう、シーツやパジャマにまぎれて、
いつも干されている、
下着と、ストッキングと、丈の短いズボン。
 下着もストッキングも毎日洗濯するだろう。
きれい好きなら、ズボンだって洗うだろう。
 けれど、下着も、ズボンも、
あれは母親のものではないだろう。
 やましさを押して告白するならば、
あの下着は、おそらく、若者の、
それも、年頃の、女性のもののように見える。
二階に暮らす奥さんのものだろか?
いや、おそらく、もっと若い誰かのものだ。
 わたしの知らない誰かが、この家には
暮らしているのか。
 そしてその誰かは、下着とストッキングとズボンを、
かかさず洗濯している。
なぜ。
下着とストッキングとズボン。
 ある、晴れた日だった。
わたしは、やはり少しのやましさを抱えながら、
庭先に目をやる。
 その奥、暖かな日の差し込む縁側の、
しかし陰になった大きな硝子の向こう、
あれは誰だ。
背の高い、黒髪の、色の白い、
少し頬のこけたように見える、
20歳くらいか、
女性だ、奥さんでも、もちろん母親でもない、
あれは誰だ。
 もう一度、振り返ることはしかし、
わたしの道徳が許さなかった。
 鼓動とともに、やましさが加速するのが分かった。



 クロギリ様はほんとうにすげぇぇぇなぁぁぁぁ、
と改めて舌を巻きつつ、
いつかわたしもあのような文章が書けるように
なりたいなぁぁぁ、など、あこがれを新たに。



拍手をいただいています。
ありがとうございます。

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