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ブログ・おもらし抒情

おしっこは我慢するけど 言いたいことは我慢しません。

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魔人とは。

例によっておもらしとは何の関係もないお話。



 魔人とは。
モレタ島の人間に、極々稀に生まれる、
常人をはるかに上回る身体能力を備えたものの呼び名。
 その出生率は極めて低く、数万人にひとりとも、
数十万人にひとりとも言われる。
 魔人の力は古来より、
ひと跳びで千の兵の頭上を越え
ひと突きで万の石の城を断つ
と言い表されているが、それはあながち誇張ではない。
 魔人がその力を振るう場は、
戦場において、同じく魔人と対峙したときのみであり、
戦場でなければ、その力を発揮することはない。
いや、発揮することが許されないのである。
その意味で、魔人が魔人として生きられるのは、
戦場だけなのかもしれない。
 魔人として生まれてしまった以上、
その卓越した身体能力ゆえ、他の人々と同様の
人生を送ることは叶わない。
通常の人間とはあまりに力が違い過ぎるからであり、
その力は、力を持たない者にとって、恐怖以外の
何ものでもない。
 魔人と分かれば即座に、専門の教育機関に
預けられ、力を制御する術を徹底的に叩き込まれる。
同時に、魔人としての倫理観とでも言おうか、
その力で決して人を傷つけてはならない、
その力ですべての人に奉仕しなければならない、
という絶対のおきてを学ぶ。
もしもこのおきてに反すれば、
その制裁は死をもって与えられる。
 この恐ろしい魔人を管理できるのは、
現在のモレタ島キシン共和国においては、
共和国議会のみである。
議会は、教育を修了した魔人を国家のものとして
所有し、
起こりうる有事に対しての切り札とするとともに、
国民への無言の圧力としている。
国に逆らうことは、魔人と敵対することに他ならない。
とは言え、現在の共和国は、よほどのことがなければ
表立って魔人の力を威圧に利用することはない。
魔人の力はあまりにも強大で危険だからである。
むしろ、魔人に一定の権力や地位を与え、
地方都市や村々の統治を行わせているのが現状だ。
魔人はそれだけの政治的手腕をも身につけていなければ
ならない、とも言える。
 権力と制約、尊敬と恐怖、一見相反する二つを
体現するもの、それが魔人である。

 先述した魔人の教育機関は、現在、モレタ島に
2か所ある。
ひとつは、首都ツゥオムにある専門学校、
もうひとつは、島西部にあるズミリマタ聖堂である。
ツゥオムの専門学校は、国を代表する教育機関であり、
また議会直属の機関ということもあり、
その出身者の多くが国の重要な役割を担っている。
しかし、ズミリマタ聖堂の方が長い歴史と伝統をもち、
これは、イリーバ魔法学校が同様の理由で高い評価を
得ていることと同じだが、
ズミリマタ聖堂で学んだ魔人の方が、
より尊敬と畏怖を集めるのも確かである。
力と知性と徳を併せ持つ魔人にのみおくられる
特別な称号「聖者」を与えることができるのも、
ズミリマタ聖堂である。
 これらの場所が物語に登場するのはまだずいぶん
先であるし、そもそも魔人が話の中心になること自体、
まだまだ先である。



拍手・感想をいただいています。
ありがとうございます。
オーデルさんはたぶん、まわりを巻き込む
何かのちからを持っているんですよね。
本人が気づいているかは別として。
きっとザーレさんは間近でそのちからを
感じていて、いろんな意味で放って
おけないんじゃないかな、と。
ただ単に、オーデルさんのことが
好きすぎるだけかもしれませんが。

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