もうすっかり高い青い空に、
透明の木枯らしが駆け抜けていく。
ぽつり、ぽつり、夜道に灯る家々のあかりは、
あたたかいか、それとも。
*
信号がまたたいて、少女は律義に足を止める。
白いソックスが、ぱた、ぱた、
小刻みに揺れる。
冷たい橙の夕映えや、駆け抜ける透明の木枯らしが、
木々を赤や黄に染めるというのなら、
すこし先、
少女の白い下着が薄檸檬色に染まろうと、
なんの不思議もなかろう。
わたしはコートの襟を立て、
冬の喧騒にはまだ少し早い中央通りに
足音を響かせる。
*
拍手・感想をいただいております。
こちらで感想をいただけるとは思ってもいなかったので、
本当に嬉しいです。こちらこそ、
「ありがとうございます」。
優しさや思いやりは、目には見えなくても
通じ、つながっていく、
そうであったらいいなぁ、などと思いながら
書きました。
筆の足りないところも多々あるかと思いますが、
目を通していただき、感謝にたえません!
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